今日の日はさようなら
先日、健康診断の一環で、人生で初めてバリウムを飲みました。
ええ、スーパー銭湯で寛ぐような服に着替えて。
あんなにグルグル機械が回転するとは!!
ちょっとしたアトラクションですやん!!
しかも自力であらゆる角度に向きを変えないといけないとは!!
足の指が攣るかと思ったし!!
お食事中の方がいらしたらごめんあそばせ。
わたくし、普段から便通は絶好調超!なんです。
幼い頃から便秘知らず。
「場所が変わると出ない」とか「もう5日も出ていない」とか言う人がいるじゃないですか!?
なんですと!?
私の辞書にはそれらは一切存在しな~い。
旅先だろうが、人んちだろうが、いつでもどこでも朝にはスッキリ爽快。
賢い犬もびっくりの勢いでマーキングはバッチリ。
なのでバリウムを出しきる為?に飲んだ下剤が・・・・
看護師さんが「そーですねー、今から5~6時間後ぐらいに便意を催すかも。 中にはすぐくる人もいらっしゃいますけど」つって。
私は“中には”の内の一人でした。
ワ~オ!!
友達と飲みに行く約束をしていなくて良かった。
デネルでございます。
本日は24時間テレビの中で放送された、アイドルグループ嵐のキャプテン・大野智さん主演ドラマ『今日の日はさようなら』の感想文をば。
感想文!?
ちょっと違うかも。
いつも以上に長文になる予感。
この話を無くして『今日の日はさようなら』を語れないような気がするので時計の針を少し巻き戻します。
大野君が『今日の日はさようなら』というドラマに出るとワイドショーで発表があった頃、船乗り時代の同期生Kちゃんが遠く離れた神奈川で癌と闘っていました。
嵐ファンではありませんが、同期生キクラゲも偶然ワイドショーを目にしたらしく、スマートフォンのアプリであるLINE経由でメッセージがあり、「大野君、ドラマやるね。 Kちゃんと重なるから観るかどうかは分からないけど一応録画はするつもり」って。
急速に弱っていくKちゃんの姿に心を痛めていた我々にとって、大野君のドラマは正直、凄く辛かったです。
ワイドショーで見かけた映像ですら落ち込んだぐらいなので本編は言わずもがな。
キクラゲと二人で「きついなぁ~・・・」と重い溜息を何度もつきました。
せっかく大野君がドラマをやるのに。
いつもなら無条件で褌を締めて神輿を担いでワッショイワッショイなのに。
声を大にしてご近所中にお知らせしたい気持ちでいっぱいなのに。
実際の私は「大野君、なんで今なのだ?」という言葉がずっと巡っていました。
Kちゃんの事があり、諸手を上げて万歳というわけにはいきませんでした。
失礼ながら原作を存じ上げないので、ドラマで大野君演じる癌を発病した男性のラスト次第では観るのを止めようかとも。
録画だけして、再生せずそのままDVDに落とそうと。
大野君、ごめんにょ。
キクラゲと「“病気を克服して今ではすっかり元気になりました!”な物語やったらきっとKちゃんも良くなる!と思いながら観れるのにな。 未来のある終わりに期待しようじゃないか!」と話していたんです。
それから程なくして。
以前、こちらで詳細をご報告させて頂きましたが我々の願いも虚しく、7月4日にKちゃんは息を引き取りました。
あっと言う間でした。
駆け足で彼女は虹の橋を渡ってしまったのです。
過去数回の再発に打ち勝ったように、また以前のように笑ってくれる、一緒にお酒が飲める日が来る、互いに婆さんになるまで何度でも逢えると信じていただけに、うんにゃ、そう信じていたかったのでKちゃんの死は相当堪えました。
オロロロ~ン
無理だ・・・・
大野君のドラマを観れない・・・・
どんな結末だろうとKちゃんと重なって余計悲しみに打ちひしがれる・・・・
大切な友人が病に倒れる、その上、旅立ってしまったのがKちゃんが初めてだったので、そりゃ~もう、オイオイ泣いてばかりでした。
涙と鼻水の大洪水。
メソメソメソ子。
でも食欲は一切衰えない。
ほんでもってヨダレ大王で朝まで爆睡。
トホホホホ・・・・
『今日の日はさようなら』を暫く封印する事にしました。
いつかは観るのか?
観ないままDVDに落とすのか?
答えが出ないまま時間が流れ、9月に入ってすぐぐらいかな?にキクラゲが「ドラマを観た」と言ってきました。
「Kちゃんを思い出して涙が止まらなかったけど観て良かった」と。
そうなのか。
でもキクラゲよ、私はまだ直面する心の準備が出来ていにゃいのだよ。
これでもか!ってな勢いで世にも薄気味悪く『智にマニアック』な私だからなのかもしれないですね。
キクラゲにとっては『24時間テレビ』の中のドラマ。
私には大野君が演じる、その事が重くのしかかっていたんです。
大好きな大野君が病気の役をする、しかも大好きなKちゃんとつい重ねてしまうから余計にしんどい。
またまた時間が流れ、季節は秋に。
再生ボタンを押そうとするんですけど、指がどうにもこうにも。
現実逃避で夏から秋にかけていつも以上に映画を借りてきて夜な夜な観賞しました。
ココ ( ← ご参照下さい )のコメント欄で皆さんにご紹介頂いた韓国ドラマも幾つか制覇しやした。
『華麗なる遺産』でしょ、『僕の彼女は九尾狐』でしょ、『まだ結婚したい女』でしょ、「いやだ、イ・スンギさんてば素敵 」になって、忌々しい“レンタルはTSUTAY○だけ!”の『キング ~Two Hearts』を駅2つ先の店舗まで借りに行ったりなんかして。
別のコメント欄でも教えて頂いた『ティモシーの小さな奇跡(原題:The Odd Life Of Timothy Green)』も観ました。
ジェニファー・ガーナーさんが凄くキュ~ト!!
彼女の歴代の出演作の中でこの映画のキャラクターが一番好きかも。
「旦那さん役の俳優さんをどこかで?」と思ってデネル.comしてびっくり。
『キンキーブーツ(原題:Kinky Boots)』の若旦那だったのか!!
おっと、持病の“話が脱線しまくり病”が出そうなので先に進みまする。
『今日の日はさようなら』に蓋をするのはKちゃんにも大野君にも悪い気がして悶々と過ごすこと暫し。
とぉ~!!
このままではマジで観ないまま終わってしまう!!
年を越すぞ!!
勇気を出せ、俺!!
そうだ!!
ドラマについて綴るのに相応しい日が11月にあるじゃないか!!
ようやく決心がつき、数日前『今日の日はさようなら』を観ました。
観るにあたって決めた事はどんなに悲しくても目を逸らさず最後までしっかり観る。
大野君は富士岡耕太という役名なのね。
いかん、冒頭から泣けて泣けてしょうがない・・・・
始まったばかりなのに鼻水と涙がグゴゴゴゴッーーーーーー。
Kちゅわ~ん
両鼻にティッシュを詰めて観賞する自称&言うのはタダなとっても洗練されたレディD。
うぃ、新宿鮫も真っ青な眠らない街に在住。
大野君演じる耕太さんのナレーションに聴き入りました。
感情を抑えた淡々とした語りが心にすーっと入ってくるんです。
優しい声。
ざわつく気持ちを落ち着かせてくれる耳心地の良い口調。
あんれまっ!!
えっちゃんを送って行った帰りに鼻血が止まらなくなった!!
大変!!
耕太さんの病名は悪性リンパ腫。
静かに流れていく日々の中で、想像だにしなかった突然の発病と宣告。
“まさか自分が”、“なんで自分が”とあの日あの時の耕太さんは思ったに違いない。
我が友Kちゃんも。
トリュフちゃんもGちゃんもキクラゲも私も「なんでKちゃんが・・・」と何度呟いたでしょう。
大好きな家族や恋人と穏やかに過ごしていただけなのに。
お天道様に顔向けできないような事なんて何一つしていないのに。
治療が効かない事への不安と焦り。
まるでブラックホールに飲み込まれていくかのような先の見えない未来。
生存のパーセンテージが減り続ける事の恐怖。
父ちゃん、母ちゃん、姉ちゃんも心配で心配で胸が張り裂けそうなのに耕太君の前ではいつも笑顔でいらしてねぇ。
お姉さんの血液の適合という一筋の光。
先生や呼吸さんや原田君やご両親やお姉さんやえっちゃん、犬のボンと原っぱでお刺身を食べる夢を見ながら微笑む耕太君にこちらまで笑顔に。
移植が成功した!!
ヤッター!!
バンザ~イ!!
家族みんなでいつまでもこの幸せが続くと思っていた、そう願っていた。
なのに旅先で大量の出血。
涙がゴーーーーーーーーッ・・・・
「鼻血止まって! 頼むから止まってくれ!」とテレビの前で号泣。
止まらない血を手で押さえ続けるしかない耕太さんに駆け寄るお父さんやお母さんやお姉さんの姿にグオーーーーーッ・・・・
涙で画面が見えない・・・・
オンオン泣ける・・・・
大野君、いいえ、耕太さんが鼻血を出すシーンは2回。
これから待ち受ける何かを暗示しているようで、いずれも心臓がギュッとなりました。
大野君の演技に引き込まれてしまう。
病院のベッドで「父ちゃん、ごめんね・・・ 父ちゃん、大丈夫じゃなくて、ごめん・・・」と呟く耕太さんに鼻水と涙がどんぶらこ。
廊下で一人静かに泣くお父さんにもウォーーーーーン・・・・
無常にも癌が再発してしまいました。
悲し過ぎる。
喚き、当たり散らし、怒り、泣き叫びたかっただろうな。
そう遠くない日にやって来る死を受け入れる耕太さんはとても強い人。
私だったらどうだろう?
Kちゃんはどうだったんだろう?
彼女と耕太さんには通じるものがあるような気がしてなりません。
緩和ケア。
泣ける
Kちゃんの事があるまで“緩和ケア”について薄い知識しか持ち合わせていなかったので、茅ヶ崎の病院に入院中にご主人のYちゃんから「今後は家から近くて緩和ケアの充実した病院に転院する」と聞いて私なりに勉強しました。
それでもねぇ、Kちゃんは家に帰れると思っていました。
帰れないはずがないって。
「緩和ケアの病院てのは良くなるまでの別荘生活なのだ!」と。
そう信じないと心が折れそうだったんです。
そう信じる事で死から逃げていたのです。
Gちゃんが一人でお見舞いに行ってくれた日、病室にはご家族がいらっしゃらなくて、ベッド脇の椅子に座って以前のような溌溂とした姿ではなく、痩せ細り変わり果てた姿で休むKちゃんの寝顔を見ていたら猛烈に泣けてきたと言っていました。
机に何気なく置かれたメモ。
看護師さんとKちゃんのやり取りがそこに。
読むともなしにちらっと目にしたら「もしもの時は眠るように逝きたいですか?」、「最期をどのように迎えたいですか?」等と書かれていたそうです。
Gちゃんはゴーゴー泣いたのでした。
それが“緩和ケア”です。
Kちゃんの体には幾つもの管が通されていましたが、その内の一つはモルヒネ。
逢いに行ってご主人のYちゃん、Kちゃんのお母さんや叔母さんから「痛みが酷いからここ数日でモルヒネの量が増えて夢と現実の区別がつかなくなっている」と聞いた時にはKちゃんのおでこや腕を撫でるしか術が無く。
話しかけると目を開けてくれるけど直ぐ眠ってしまう。
エーーーーーーン
耕太さんも緩和ケアを選んだのか。
お母さんとお姉さんの気持ちが痛いほど良く分かる!!
耕太さんの選んだ道もめちゃくちゃ分かる!!
我々も同じでした。
生きていてくれるだけでいい。
僅かでも可能性があるなら治療をして欲しい。
でもKちゃんの意思を尊重したい。
今まで充分過ぎるぐらい頑張ってきたKちゃんにこれ以上頑張ってと言うのは酷。
それは自分たちの我儘で身勝手なお願いに過ぎない。
Kちゃんらしくいて欲しい。
最終的にはKちゃんの下した判断に何も言わず全力でサポートする事に決めました。
耕太さんとKちゃんの尊厳。
気高い心。
ダイニングで泣きながら3人に自分の気持ちを伝える耕太さんに涙、涙、嗚呼、涙・・・・
涙でテレビが見えん・・・・
鼻水がダーーーーーーッ。
お母さん特製の茶碗蒸し、お父さんの「大丈夫だ!」、お姉さんとの何気ない口喧嘩、オエオエ泣きました。
互いに「ごめんね」を言い合う、思い遣りにウォンウォン泣きました。
まだペンが持てていた頃、喉を切開されていたKちゃんは喋れなくなってしまったので手紙でご主人やお母さんや小さな子供達に「ごめんね」と伝えていました。
「ちゃんと死ぬ為の時間が始まった」だなんて・・・・
激しくグオーーーーーーッ・・・・
えっちゃんへの優しい眼差しと凪のように穏やかな「ありがとね」と「じゃあね」に涙腺のダムが決壊っす・・・・
将来、二人で家族になりたかっただろうに。
はて!?
ご家族への手紙の字は大野君の筆跡ではないような?
まさか耕太さんの字で書いている?
はたまた誰か他の人の字?
ま、いっか。
耕太さん、いかん!!
やめてーーーー!!
チューブを抜いたらダメだーーーー!!
お母さんとお姉さんの「ありがとう」に嗚咽。
亡くなる前日に逢ったKちゃんを思い出してブサイクD、アホ丸出しでグゴゴゴ泣く。
泣いて泣いて泣き過ぎて頭がいたひ・・・・
お二人の言葉も想いもちゃんと耕太さんに伝わっている。
小さな頷きと瞳がそう語っている。
スイッチが切られ、カテーテルが耕太さんの身体から抜かれようとしたその時、それまで黙って様子を見守っていたお父さんが先生の手を制止。
耕太さんの望みとは言え、親なら愛する息子をこのまま逝かせるわけにはいきませんもん。
薄毛な父と母の姿が脳裏に浮かびました。
耕太さんの口から洩れる「だい、じょう、ぶ・・・」
泣ける・・・・
遂にカテーテルが抜かれた・・・・
グオーーーーーーッ・・・・
一番最後の「晩御飯なに?」の笑顔にウォーーーーーン
父ちゃん、母ちゃん、姉ちゃん、耕太君。
演じる三浦さん、岸本さん、ミムラさん、大野君。
ドラマの枠を超えてまるで本当の家族のようでした。
耕太さんを軸にした或る家族の物語。
無償の愛が沢山詰まった素晴らしく、かけがえのない絆。
Kちゃんのご主人も、お母さんも、伯母さんも、子供達も、愛がいっぱい。
そして、耕太さんとKちゃん自身も。
これからも愛が継がれていく。
ワイドショーを観た時の「大野君、なんで今なのだ?」な気持ちは完全に間違っていました。
今年の夏に大野君が演じたからこそ、より多くを感じ取る事が出来たんだと思います。
キクラゲと同様に観て本当に良かったです。
大野君、ありがとう。
耕太さん、ありがとう。
末筆で申し訳ありません。
ご本人様のご冥福をお祈り申し上げます。
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私事で恐縮ですが本日11月23日は誕生日でございやす。
Kちゃんを通じて生と死について深く考えた日々。
あんなにも泣き、思い悩んだ事はこれまでの能天気人生で一度もありませんでした。
泣いた分プラスたーーーーくさん笑いましたけれども♪
元気にまた一つ歳を重ねられた。
誕生日を迎えるにあたり、今年は特別感慨深いです。
この前スポーツジムでウォークマンに入れている全楽曲をランダムで聴きながら有酸素運動をしていたら嵐さんの『マイガール』が流れてきたんです。
元気だった頃、数度の再発、5月に入院してから亡くなる前日までのKちゃんの姿が走馬灯のように目の前に次々と浮かんでは消え、浮かんでは消えして、そうしたら泣けてきてねぇ
歌が紡ぐ世界がこれまでの自分達と重なって運動しながら泣き続けるベリ~ベリ~キモい私。
追い打ちをかけるかのように『マイガール』の次にウォークマンが選んだのが映画『黄色い涙』のサウンドトラックに収録されている『Interlude8』。
大野君演じる下川 圭さんの「この夏流した涙は、もう流すことはないでしょう」の声。
Kちゃんは病気になんてなっていなくて神奈川で家族と楽しく暮らしている、「次に逢えるのはいつかな? その時はどこのお店に食べに行こうかな♪」と思う気持ち半分、病院できちんとお別れをしたし、火葬場で骨を拾わせてもらったし、8月には仏前に手を合わせてきたし、こちらの世界にはもういないと分かっている気持ち半分。
受け入れられない想いと受け入れている想い。
頭では分かっていても心は違う。
Kちゃんの事では涙は枯れないし、悲しくてどうしようもない時がありますが、笑顔を忘れず、前を向いて生きていこう。
“後悔先に立たず”。
「ああすれば良かった」、「こうすれば良かった」と気付いた時には遅いかもしれない。
きっかけを作ってくれたのは他でもない、Kちゃんです。
「逢いたい人がいたら機会を逃さずじゃんじゃん逢おう!」と決めまして、近々船乗り時代の先輩と船を辞めてから初めて再会する約束をしました。
先週末は船乗り時代の後輩主催の同窓会ちっくな集まりが大阪でありまして、声をかけてもらったので、これまた船を辞めてから初めての再会。
それぞれ別の人生を歩む年月の方が長くなりましたが全員が笑顔はあの頃のままでした。
泣ける・・・・
Kちゃん、ありがとう。
向こうで貴女に報告する爆笑&感動エピソードがまた増えました。
ボジョレーヌーボーで乾杯。
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